このページでは主要な15の日本の革ブランドを取り上げ、それぞれの特徴をざっと解説してみたいと思います。
おすすめブランド15選
ココマイスター
ココマイスターは2009年設立という歴史が浅い会社でありながら、ネットでの革財布の売上シェアNo.1を誇るブランドです。
2020年10月現在で全国に6店舗(東京3店、名古屋、大阪、神戸)あります。中でも銀座店の店舗デザインは海外のハイブランド並に洗練されていて圧巻です。

とにかく勢いがあり、ブランディングが上手で、私自身もこのブランドのファンです。欲しい革製品がたくさんあります。
おそらく従業員数や売上高も右肩上がりで、今後どのような展開があるのかとても楽しみです。
1つ1つの財布が入念な市場調査の上で作られ、デザイン性が非常に高いです。ブライドルレザーやコードバンなどの王道の他、マットーネ、マルティーニ、ナポレオンカーフなど独自のシリーズを作り上げているのも注目です。

商品ラインナップも豊富で、「今度はアレが欲しい!」という感じで虜になってしまうブランド力があります。商売上手だな~と思いますね。
crafsto(クラフスト)
クラフストは皮革産業が栄える東京の蔵前という地に居を構える日本の革ブランドです。
サイトを見るとよく分かるのですが、10年後を考えたものづくりをしている上、修理を気軽に依頼できることを前面に出しています。
他のブランドは面倒くさくて修理ができることを積極的にアピールすることはないのでその点でとても信頼できますね。

写真左の太田さんはハイブランド製品の修理を手がける工房で働いていた経験があるということで、納得です。
ブライドルレザーとシェルコードバンという、高級で堅牢なレザーを中心とした製品展開をしています(2021年4月時点)。私のようにブライドルレザーが好きな人にはたまらないブランドです。

一般的なラウンドタイプや折り畳み長財布の他、キャッシュレス化により誕生したフラグメントケースなども作っており、今後もトレンドに合わせた商品展開を行っていくでしょう。
yuhaku(ユハク)
ユハクはこの2~3年非常に注目を集めている実力派の革ブランドです。実店舗は横浜にショールームがありますが予約制なので行きづらく、オンラインショップと全国のデパートでの取り扱いが中心です。

革の染色技術に関して言えば国内No.1と言って過言ではありません。その分価格が高めですが、品質の高い高級な革製品を欲しい方におすすめしたいブランドです。
コードバンやブライドルレザー、ボックスカーフ、クロコダイルなど各種レザーがありますし、ラウンドタイプや折り畳みタイプ、二つ折りなどの種類も豊富です。

※束入れ・44,280円
そして何と言ってもこの革の美しさ。独自の染色技術は国内外で評価されており、まさに日本が誇る革ブランドです。今後の展開に注目です。
GANZO(ガンゾ)
ブランド自体の立ち上げは2001年で、運営会社であるAJIOKAの創業はなんと1917年!この業界では老舗中の老舗です。
バッグや財布、その他小物を製造し、全国の有名デパートなどに卸しています。また、ネットと青山に直営店があり、そこでも購入することができます。卸をしているため、全国的な店舗展開はしていないようです。

ヨーロッパの革を取り入れ、日本国内で製造しています。老舗故にその技術の高さには定評があります。デパートで取り扱われるだけあって、信頼度もバツグンです。
GANZOも財布のラインナップが多いです。主な価格帯は35,000円~45,000円と高く、10万円近くする物もあります。コードバンなどは特にこだわりの物(シェルコードバン)が使われています。

また、牛革に限らずクロコダイルやリザードなども取り入れているのも特徴です。様々なレザーの、様々な長財布を入手することができます。
フジタカ
フジタカ(株式会社イケテイ)は大阪に本社を構える日本の革ブランドです。1941年創業なのでこちらも老舗ですね。阪急うめだ本店の他、IKETEI VILLAという直営店が大阪と東京にあります。

また、オンラインショップや有名デパートでの取扱いがあります。
一般的には知名度はそれほどでもないのですが、革好きの人には知られているようで、当サイトでも30代40代の人からの反応が非常に良いです。
デザインが他の老舗ブランドとはちょっと違います。老舗は無骨な黒の長財布を作りがちですが、フジタカは写真の通りちょっとしたアクセントがあったり、奇抜な柄を取り入れたりと、とにかく挑戦しています。

ココマイスターやユハクと同様に、デザイン性の高さや鮮やかさで楽しませてもらえることでしょう。
土屋鞄製造所
こちらもGANZOに続いて歴史が古く、1965年創業ですからもうすぐ半世紀です。ココマイスターと同じで卸はせず、ネットと全国にある10店舗での直販のみです。香港にまで出店しているのはすごいですね!
ただ店舗は関東や関西が中心で、私の地元である東北や北海道に無いのが残念です。

お店の雰囲気や店舗展開の仕方などココマイスターと共通点が多く見られます。
しかしこちらは老舗ですから、特に革好きでない方も土屋鞄の名前ぐらいは聞いたことがあると思います。ましてや革製品が好きな方で知らない人はいないでしょう。
『土屋鞄』と言うだけあって鞄の比重が高く、実店舗に行っても「鞄が多いなぁ」という印象を持ちました。長財布はラインナップや在庫が少なめです。

そのため、店舗へ行かれる方は財布目当てで行かれるとガッカリするかもしれません。鞄目当てなら◎です。財布は公式ストアで買うのをおすすめします。品質は素晴らしいです。
アニアリ
アニアリはそのクールな印象から海外のブランドという印象がありましたが、れっきとした日本の革ブランドです。
オフィシャルストア(直営店)やパートナーストアを全国の主要都市に展開しています。

サイトを見ても熱量が伝わってこないのですが、製品を見ると結構ガチな革ブランドであることが分かります。作りがしっかりとしていて、それ相応の値段がします。
財布のラインナップはそれほど多くありませんが、20代から40代以上まで楽しめるデザインがあり、なんと言ってもカラーラインナップが豊富です。

パッと見たデザインがいまいちだなと思っても、色違いを見てみると全く違った印象となり、これ欲しい!と思うことも。
ソメスサドル
国産の馬具メーカーとしてスタートしたソメスサドルですが、その技術力を活かして今では様々な革製品を製造しています。

北海道だけだった直営店も、今は東京の青山と銀座にもあります。全国の有名デパートでの取扱いもあり、ソメスサドルの財布を目にする機会が増えてきました。
国産と言ってもブランドによって品質に差があるのですが、ソメスサドルは縫製が真っ直ぐ均等になされており、綺麗に仕上がっていました。

革財布のラインナップも豊富ですので、チェックする価値はあると思います。他にも革製品全般を製造・販売していますので、革好きが楽しめるブランドです。
ウォームスクラフツマニュファクチャー
知る人ぞ知る革ブランドです。兵庫県にある『新喜皮革』という、主にコードバンを製造している革の製造業者が手がけているブランドです。
厳選された上質なコードバンやホースハイドを扱うために大量生産ができず、品切れとなることがよくあります。
大阪に店舗が多いので是非一度直接足を運んで見て欲しいと思っています。東京でも伊勢丹メンズや阪急メンズなどに担当者がいて製品を多く見られます。
舗でもなかなか入手できません。

馬革がメインなので、洗練されたコードバンやホースハイドの革製品が欲しい方におすすめしたいブランドです。
HERZ(ヘルツ)
ヘルツは国内に6店舗を展開する革ブランドです。ヘルツ独自の硬めのレザーを使っており、これまで紹介してきた他のブランドよりも個性があります。
好みは分かれると思いますが、種類も豊富なので一見の価値ありです。

財布よりもバッグの方が人気が高いです。店内でもバッグの種類が非常に豊富でした。
こちらはヘルツの中の『オルガン』というシリーズの財布です。通常のヘルツの財布とはレザーが違っており、一般的にも馴染みやすいと思います。

柔らかくて、使い心地も良いです。私はヘルツの中ではオルガンのシリーズをおすすめします。
プレリーギンザ
プレリーには3つのシリーズが存在します。高級品の「ジュエル」、レビュラー品の「プレリーギンザ」、廉価品(中国製)の「プレリー1957」です。

ジュエルとプレリーギンザは当サイトでご紹介する価値があるブランドです。有名デパートでの取扱いがあるので、バイヤーにもその品質が認められています。

レザー別ではコードバン・ブライドルレザー・イタリアンレザーがありますし、形状別ではラウンドタイプ、折り畳みタイプ、二つ折りタイプなどがあります。
また、価格帯も様々なので自分に合った物を選ぶことができます。
博庵(ひろあん)
革ブランド通の間で知られている博庵。紳士財布のメーカーのノウハウをもとに2000年に立ち上げられたブランド。
正式名称「革包司 博庵」の革包司については、日本語で革財布を意味すると言われています。

薄くて頑丈な紳士財布として知られていて、ヨーロッパの高級財布を彷彿とさせる見た目が特徴的ですが、縫い目や財布の内部には日本の職人技が光ります。

質の高い日本の革ブランドとして、1度使用すると長年愛用される方が多いということも安心感を感じる要素となっています。
マチの無い『極薄』の長財布を求める方は必見のブランドです。
アヤメアンティーコ
2014年頃から革製品の販売を開始したアヤメアンティーコ。革財布というジャンルとしてはまだまだ新鋭ですが、使い込むほどに味が出る特徴から、人気が出始めているブランドです。

厳選したイタリアの革を日本の一流職人が手掛けることから、どれも質が高いと口コミが広がっています。
公式サイトを見ても分かる通り、財布にはどれもイタリアンレザーが使われています。写真はミネルバボックスというレザーのベーシックな財布で、まさに革らしい革ですね。

他にはスベスベしたミネルバリスシオというレザーも。イタリアンレザーにこだわった革ブランドは少ないのでとても貴重な存在です。
alt81(おるとはちじゅういち)
alt81は東京の蔵前に実店舗を構える若い革ブランドです。代表の方はとてもこだわりが強いようで、多くのラインナップを展開するのではなく、少数の納得のできる製品を店舗とネットのみで販売しています。

店舗には製品に精通したスタッフもいますので、一つ一つの製品のこだわりも聞くことができます。
公式サイトを見ても細部までデザインが整っていて、文章も洗練されており、時間を忘れて見入ってしまうほどです。
知名度は低いですが、サイトや商品を見てみればその完成度の高さに驚くはずです。
alt81で一番の売れ筋は、ダントツで写真の『mark_ラウンド長財布02』です。表面にほどよく光沢があり、そしてトラ(模様)によってワイルドさが出ているのがポイントです。

このトラはどれ一つとして同じものがないため、実際に見て買いたいという方が多く、そういった方が店舗を訪れるようです。また、『表情選択サービス』があるため、ネットで購入する際も複数の写真の中から気に入った物を選ぶことができます。
チマブエ
チマブエの名前を聞くようになったのはこの3~4年でしょうか。
公式サイトに「こだわりのスタイルを持つ大人の男性に向けたバッグブランド」と書いてあるように、バッグから始まったブランドであり、30代後半以上の男性をターゲットにしています。

しかし財布にも力を入れ始めると徐々に人気が出てきて、大丸、松坂屋、高島屋など多くの有名デパートで取り扱われるようになり、今では財布がメインです。
高級な長財布が多くありますので、所得の多い大人の男性に見て欲しいブランドです。
チマブエの財布は収納力の高さ、特にカードポケットの多さが特徴的です。一般的なラウンド長財布が12枚程度の収納力なのに対して、チマブエだと20枚入る財布もあります。

当サイトに「カードが多く入る財布が欲しい」というお問い合わせがあった際にチマブエをご紹介したところ、取り扱いのあるデパートに行って購入に至ったようで、とても喜んで頂けました。
どのブランドが良いか?
どのブランドも優れた技術があり、何を求めるかで求めるブランドも違ってきます。
高級な長財布であればGANZOやユハク、バッグを求めるなら土屋鞄や万双、そして豊富なラインナップから革財布を選ぶのであればココマイスターかなと思います。

※ ココマイスターの長財布
ココマイスターは下は2万円台から上は12万円まで良い財布が揃っています。